ゆるふわ庵

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公認会計士試験の勉強法【短答編】

ここでは僕が会計士受験生時代、短答式試験の勉強に関してやったことを書いていきます。

最初に本試験の成績を載せておく
財務会計:152
管理会計:87
企業法:67
監査論:76
計76.4%

とまあ、可もなく不可もなくって感じの成績だ。
だからここで書く事は「ぶっちぎりで合格したい」って人には余り参考にならないだろう。
基本的にサボり癖との戦いだったからね。
「トップになるためには~」よりも「これだけやれば受かるよ」ってことに主眼を置きたいと思う。
どれだけ勉強すればいいのか検討もつかなくて困ってる人のメルクマールになれたら嬉しい。
あ、でもこれで失敗しても責任は取れません。あらかじめご了承ください。

なお、具体的な内容を個別に紹介するというよりは、
勉強している中で僕がどう思い、そして何をしたかについて書いていきたい。
僕がやってきたことをなぞってくれた方が、より深く勉強法の理解に結びつくのではないかと思うからだ。
勿論そんなのは興味ないって人もいるだろう。
一応下の方に各科目のまとめみたいなものを簡潔に載せておいたから、
そういう人はそこだけ一読してくれればと思う。


2012年4月~2013年1月末(会計士を目指すまで)
※動機についてだらだら書いています。興味ない人は飛ばしてください

僕は大学デビューに失敗した根暗で無能な大学生だった。
商学部だったが簿記3級にすら合格できず、
必修だった会計学を試験ごとサボタージュ
大学に入るということは4年間遊び呆けられるということ。
そう信じてサークルや部活にも所属しておらず、怠惰な日々を過ごしてた。
夏休みにベッドの上でダラダラしてた時間はコアラと競いあえる自信がある。
秋になって余りにも暇だったのでせめてバイトしようと一発奮起するも、
面接でことごとく落とされるという有様。
どうしようもなく行き詰まっていたら今度は高熱に侵された。踏んだり蹴ったりだ。

人間、40度を超えるとどうも死の影が脳裏にちらつくらしくて、
いやまあロクでもない人生だったしこれで終わってもいいかと思いながら
自分が死んだあとのことについてなんとなく考えてた。
すると、月並みな発言だけど死ぬのが怖くなったんだよね。

(今死んだら、まあ5~6人くらいは本気で悲しんでくれるかな。30人くらいは葬式にきてくれるかもしれない。
でも、しばらく経ったら、僕は存在ごと忘れ去られてしまうんだよな。
……あれ?それって怖くね?)

単に死ぬこと自体は恐ろしくなかったんだけど、存在が忘れ去られる
ということが発狂しそうなくらい恐ろしかった。
せめて死ぬ前に何か残していきたいなと思った。
でも、僕には文才がない。絵も音楽も凡才以下だと自負している。
運動神経なんて体格からして論外だ。
こんな僕が一体何を残せるんだろうか。
そこまで考えて、勉強しかないと直感で分かった。
勉強して賢くなって、周囲に影響力を与えるくらいにまで大きくなれば
それは何かを残したと言っていいんじゃないだろうかと、そう思ったのだ。

熱が引いた翌日、早速図書館に突撃して哲学や言語・思想関連の本を借りて読むことにした。
勉強・賢いといえば哲学ってイメージが強かったからね。
でも一瞬で挫折した。なんだよあれ意味分からなすぎだろ。
あれで一生食っていくのは僕には無理だ。速攻で諦めました。
哲学に親しむというのは昔からの憧れだったんだけど、憧れは憧れのままで終わることになった。
でも、それなら何の勉強をすればいいのだろうか。
今所属しているのは商学部で、その中で一番ステータスが高い試験といえば公認会計士だが……。
簿記3級にも受からなかった僕が会計士試験?
もし合格とかしたらそれはそれでウケるな。一辺挑戦してみるか。
こうして僕は会計士試験を受けることになった。


2013年2月(授業が始まるまで)
会計士試験について調べてみたところ、以下のことが分かった。

①専門学校に通わないといけないこと(独学は無謀)
②少なくとも1年半は勉強しないといけないだろうこと(ひたすら4択を選ぶ短答試験と、実際に論述する論文試験の2つの試験に通らないといけない)
③予備校の授業が始まるまでに簿記2級レベルの知識は持っておく必要があること
④予備校のスケジュールがレクチャー期⇒答練期⇒直前期から構成されていること
※レクチャー期:通常の講義で範囲をこなす時期
※答練期:簡易版の模試をひたすら解く時期

大学と専門学校でダブルスクールになる以上、バイトして学費稼ぐのは無理だと判断した僕は
即効で親にゲザった。金出してくれ。会計士試験受けます僕は本気です。
親は快く了承してくれた。今まで相当ぐーたらしてたから、奮起したのが嬉しかったのかもしれない。
ありがたいことです。まあ拒否されても奨学金で賄うつもりだったけど。
バイトしながら会計士は相当厳しいものがあると今でも確信してる。

会計士試験の専門学校といえば大原・TAC・LECが有名どころ。
大原だけ学校法人なので、授業料も他より安いかなという下心を持ちつつ予備校は大原を選んだ。
後で分かったことだけど、学費自体はどこもそんなに変わらないみたい。
授業は2月下旬から。それまでに簿記2級レベルの知識を持っていなければ
話にならないそうなので、ついでに3週間で簿記2級を取れるかどうかを自分への試金石にすることにした。
これで受からないなら会計士なんてまず無理だろうし、撤退するかと。

この時期に僕が試してた勉強法は2つある。【タイマー勉強法】と【手帳管理】だ

【タイマー勉強法】
かなりオーソドックスな勉強法だろう。
タイマーで時間を区切り、30~40分ごとに細かい休憩を入れながら勉強するというもの。
正直、1日当たりの勉強時間でいえばこれを採用していたこの時期が一番勉強できていたと思う(効率はさておき)。
1日7時間くらいはできてたかな。
それでも少ない?元々集中力無いんじゃボケ。
休憩のたびにストレッチで血行をほぐせば、常にリフレッシュして勉強できるのが良い。

【手帳管理(Todoリスト)】
こっちもかなりオーソドックス。
勉強を始める前に手帳に目標を書き込み、それに沿って勉強し、
勉強時間と達成したタスクを記録する。
作業内容を視化できるのが良かった。
自分がどこまで出来るのか、どのタイミングでサボりたいと思うのか。
それを把握してコントロールできるようになれば勉強の効率は飛躍的に上昇する。
自分が今何をしているか即座に分かるから、
闇雲な勉強も防げるし

コツコツと勉強できる人がこの勉強法を採用すれば、間違いなく大きな成果が得られるはず。
実際、3週間で簿記2級は取ることができた。
でも一方で、コツコツと勉強できない人からすればこれって諸刃の剣なんだよね。
僕もそうだったんだけど、コツコツと勉強できない人(長いので以下クソ野郎と呼ぶ)が
この勉強法を採用するということは、つまり【自分がサボったことすら可視化されてしまう】ってことだから。
クソ野郎が勉強をサボるのはもう習性みたいなものだからどうしようもなくて(クソ野郎はサボるからこそクソ野郎足りうるのだ)、
でも一度サボるとその日の手帳は白紙になってしまう。
白紙の手帳を見ると焦るんだよね。
漠然と立てていた週単位での見通しが崩れてしまう。
焦って、遅れを取り戻そうとついタスクを増やしてしまう。
すると勉強がキツくなる。場合によっては目標を設定しただけでやる気を無くしてしまう。サボる。タスク増やす。以下ループ。


2013年3~7月(レクチャー期)
レクチャー期が始まる。
答練期が始まるまでに、とにかく全ての範囲を一通り終わらせるというのはどこの予備校でもやってることだと思う。
4月からは大学も始まり、大学と専門学校のダブルスクールがいよいよ本格的に。
大学の講義すらロクに出てなかった身なので、どちらもこなすというのは結構キツかった。
1日1日ならまあ過ごせるんだけど、これが毎日続くとどこかでプッツンするんだよね。
バイトしながら専門学校が厳しいって言ったのはそれが主な理由。
この時期は基本的にレクチャー+出された課題をこなす、の繰り返し。
常に新しい知識が入ってくるので結構スムーズに勉強できてたと思う。

レクチャーを受ける上でかなり有効だと個人的に思ったのが
【ド真ん中、一番前の席】で受けることだ。
教師に一番近い席になるためまず別のことは考えられない(授業中にボーッとしなくなる)し、
一番前の席に座っているが故に、後ろに座ってる奴には成績で負けたくないって思えるようになる。

【授業を録音しておいて倍速で聞く】というのも結構有効だと感じた。
聞き流すだけで復習できるのは良いね。
途中で一々聞くのが面倒くさくなって放り投げたけどw


2013年8~10月(レクチャー~答練期)
8月は大学の試験と答練が重なってマジで死にかける時期になる。
一番前の席に座る+エナジードリンクの黄金コンボを決めてても講義中意識飛んだりしてた。
朦朧としたまま板書しようとした結果、教科書に「取ピピ(多分取締役って書きたかったんだろうな)」とか「労働が廃れたわけである(多分退職給付について書きたかった)」とか意味不明なこと書いてたのは良い思い出。

答練期が始まり、目新しい知識がなくなってひたすら答練⇒復習をこなさなければいけなくなる。
まあ入門生は復習する余裕なんてないけどねw答練の予習だけでてんてこ舞い。
この時期はビックリするくらい成績出ないと思う。
上級生との差に愕然とするかもしれない。でも気にする必要はないです。
まあこれは講師からも口を酸っぱくして言われると思うので深くはつっこみません。
黙々と答練をこなして基礎知識を身に付けよう。

試験が終わって夏休みに突入すると、
これまでの大学のくびきから解放されて、勉強時間思いっきり確保できるぞーとワクワク気分になる。
ただ僕はこの時期思いっきりサボってました()
講義と最低限の課題だけこなして、後はひたすらインターネットでブラウジングしてた。
大学受験のときも夏で大ゴケしたし学習しないなーと思う。
ここでしっかり勉強できてると大分成績が安定するようになるから、
皆さん僕みたいなことにはならないようにしてください。

本当に中だるみしてた時期で、勉強法すら試してなかった。


2013年11月~本試験(直前期)

直前期。
この時期にしてた勉強法が個人的には一番有効だと思ってる。
なのでそれを先に紹介したい。
といってもやってることはただの速読なんだけど。
後になって『東大主席弁護士が教える7回読み勉強法』を読んだときに
(あ、これ僕がしてた勉強法とほとんど同じじゃん!)ってなった。
やることはただ1つで、

【意味が分からなくてもいいからとにかくページ数読んで周回こなす】


これだけ。
コツとしては、文字を脳内で音声にして起こすんじゃなくて
とにかく流し読みでページ数稼ぐことかな。
理解は後でついてくるから。いやホントマジで。
読んでる途中で頭の奥がズキズキしてきたら成功だ。おめでとう。
脳が圧倒的に成長してるのを実感できると思う。
このページにはこういうことが書いてあったなーというところまで思い出せると素晴らしい。
ちなみに僕は5日間で企業法の脚別・監査・財務理論のテキストを一周してた。
でも一日の実質勉強時間は5~6時間だったよ。

答練が全部終わって小康状態になる時期があると思うから、
そのときは計算答練のやり直しをするといい。
僕は2回解き直したけど、欲を言えば3回くらいやっときたい。
ちゃんと講義を受けて計算の基礎が身に付いてたら、
2回解きなおすだけで計算に関しては合格者平均まで伸びます。
後、過去問はちゃんと解いておきましょう。
予備校の出題傾向に引っ張られすぎて本試験でテンパったりしないためにもね。
答練が過去問をベースに作られてるところあるので、
意外と点数取れてビックリするかも。
取れなくても、数こなしてたら70%は超えるようになります。

参考までにこの時期の1日の過ごし方載せておく。
7:30 起床
8:00~9:00 仕度して大学向かう(電車の中でテキスト速読)
9:00~12:00 大学の講義中ひたすらテキスト速読
12:00~14:00 帰宅(電車の中でテキスト速読)
14:00~21:00 インターネットでブラウジングしたり昼寝したり。自由時間
21:00~23:00 計算答練を財務と管理1つずつ解きなおす

こんな感じ。14:00~21:00まで7時間も自由時間取ってたの我ながらアホだなと思うww
まあでも速読が上手くハマってたので、余り勉強時間の多寡について心配はしてなかったかな。
答練の成績がゴミクズすぎてこのままじゃ受からないなーと思ってたのが、
本試験までに五分の勝負まで持ち込めた感じ。

答練の成績は本当に気にしなくていいから!
成績が良ければドヤ顔すればいいし、悪くてもヘラヘラしとけばいいよ。
僕なんて本試験前日に監査の直前答練解いて35点だったぞ。
もう無理だと思って問題用紙その場で投げ捨てて、そっから一日中鬼女速でキチママの話見てた。
でも受かったし、まあそんなもんだ。



ここまでで短答までの過ごし方終わり。
後は科目ごとにやったこと(やった方がいいこと)を簡潔に書いておきます。




【財務・計算】
レクチャー期は講義受けて言われた課題こなす。それだけ
分からないところがあればバンバン質問いくといいよ。
答練はまあ成績出ないと思うけど耐えよう。
いい成績だったらドヤ顔しながらそのままのペースで突き進んでくださいww
さっきも言ったけど、直前期に計算答練を2周解き直せば計算力に関しては合格者レベルまでいけると思う。
ただ闇雲に解くのはNG。
会計処理の考え方は本当に大事だからそれを意識しながら勉強しましょう。
そっちの方が頭も良くなるしね


【財務・理論】
テキスト読んで理論の答練受ける。以上。
なるべく1週間で1周できるようにするのがいいと思う。
1周に時間かけすぎるとやった内容どんどん忘れていってしまうからね……。
じっくり読むのはマジで愚の骨頂なのでやめた方がいい。
精読と速読両方試した僕が保証します。


【管理・計算】
【財務・計算】と同じことやってください。以上


【管理・理論】
僕はこれ全く勉強してませんでした。
だから本試験は滅茶苦茶怖かった。
今だから思うけど、管理はある程度計算こなしたら
後はテキスト読むだけで計算も理論も合格ラインまで持っていけそう。
論文試験の勉強してるとき管理で行き詰まってた時期があったんだけど、
テキスト読んだらそれだけでバカみたいに成績上がったので
短答のときもテキスト読んでおけばよかったと後悔してます。
1周目は辛いと思いますが頑張ってテキスト読みましょう。
理論用のテキストとかも配られるだろうけど、あれはまあ別に要らないと思う


【企業法】
普通の人はテキストベースで勉強すると思う。
でも僕はテキストをレクチャー以外で一切開いてません。
とある講師に「企業法は脚別10周やれ」と言われたのを字面通りに受け取って、
ひたすら脚別チェック(4択問題が2500問くらい載ってる問題集)を回転させてた。
大原の脚別は500ページくらいあるんだけど、
最終的に100ページに1~2問の間違いで済ませられるようにまで仕上げた。
この勉強法をする人に忠告しておくけど、最初の4周までは地獄を見るから覚悟しといてね。
でも6~7周辺りからは良い感じに回転させられるようになるかな。
基礎知識ないのにアウトプットから入って大丈夫かと思われるかもしれませんが、
大丈夫です。やってるうちに勝手に知識が体系的に組みあがっていきます。
そもそもインプットとアウトプットを分ける意義が僕にはよく分かりません。
アウトプットをインプットの教材に使って何が悪いんだって話。
まあ効率的ではないだろうから、大人しくテキストベースで勉強した方が賢いかもしれないww
テキストで勉強するのが嫌いな人は脚別と心中すればいいじゃないでしょうか


【監査論】
答練で面白いくらい成績出なくて、本試験で滅茶苦茶ビビってた科目。
予備校の監査論の答練って、重箱の隅をつつくような問題ばかりなんだよね。
だからテキストきちんとやってても全然点数取れないんだけど、
本試験は割とプレーンなことしか聞かれないから大丈夫です。安心してください。
法規集とか別に要らないです。明らかにオーバーワーク。
テキストを回転させて理論の答練を解く。過去問も解く。本試験7割超える。おめでとう。


何度でも言いますが【財務・理論】【企業法】【監査論】のテキストは3冊合わせて
1週間で1周すれば面白いくらい成績伸びます。

最後に
【タイマー勉強法】とか【レクチャーのときは一番前の席に座る】とか色々言ってきたけど、
結局この試験で一番大事なのは【回転数】だと思う。
どれだけ周回できたかが合否を左右すると言っても過言ではないので、
とにかく周回を稼いでください。流し読みでいいです。
1週目で理解しようとしないでください。勝手にピンとくるから。
速読してて頭痛がするようになればこっちのものです。
圧倒的成長とともに70%の壁を超えられることでしょう。

あ、それと会計士試験は【勉強をサボった奴から落ちてく試験】でもあります。
だからやらなきゃいけないことくらいは真面目にやりましょう。
やらなきゃいけないことっていうのは、上で挙げたことだったり、
自分が他に必要だなと思ったことだったりのことな。
決して出来ない量ではないはずです。大丈夫僕でもできたんだから。
やることやったら余程のことがない限り受かるよ。頑張って。


ここまで読んでくれてありがとうございました。
みなさんの勉強の参考に少しでもなれたら幸いです。